畑内科クリニック 院長 畑 直成
一般名
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商品名
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組成・剤形・容量
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薬価
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●甲状腺ホルモン
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レボチロキシンナトリウム
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チラーヂンS(帝国臓器)
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錠:50μg
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11.20
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甲状腺ホルモン
●レボチロキシンナトリウム(チラージンS)って?
甲状腺ホルモン補充療法に対して乾燥甲状腺末(ブタ等の甲状腺からとった粉末)が用いられることがありますが、T3(トリヨードチロニン):T4(レボチロキシンナトリウム)比が1 : 8でT3の量が非生理的な上に、ロットごとに力価が異なる可能性があります。またT3は直接ホルモン作用を有するので、高齢者だけでなく小児でも危険です。T4は吸収され、体内でT3に変わるのでT3が緩やかに上昇します(体内で自動調整される利点がある)。現在甲状腺ホルモンの補充療法に広く使われているのはT4です。画像は約2倍になっています。
効能:粘液水腫、クレチン病、甲状腺機能低下症(原発性、下垂体性)、甲状腺腫
効きかた:
体内の組織の基礎代謝を上昇させます。成長、発育に重要です。T4からT3に変わり細胞核の受容体を介して、遺伝子の発現としてさまざまなタンパクの調整が行われます。吸収されたT4は大部分が甲状腺ホルモン結合タンパク(アルブミン、プレアルブミン、チロキシン結合タンパクグロブリン)と結合し、ごく一部(0.02〜0.03%)が遊離型となって生物学的活性をもちます。T4の80%は体内の各組織で5’−脱ヨード酵素(T4からT3へ移行する酵素)によりT3(T3生成の20%は甲状腺から、80%はT4から)へ変換され、残りの20%は糞便(15%)、尿(5%)へ排泄される。T4の半減期は約7日と長く(T3は約1日)、補充療法に適しています。
服用のしかた:
下垂体性甲状腺機能低下症、自己免疫性多発性内分泌腺症の場合、副腎皮質機能不全があるかどうかをかならずチェックし(ステロイドが出ないかのチェック)、あれば副腎クリーゼの危険があるので副腎器質機能不全を先に治療します。甲状腺機能低下の程度(病気、年齢、虚血性心疾患の有無)から初期量、増量速度を調整します。重篤な場合は原則として入院をお勧めし、虚血性心疾患を誘発しないように少量(12.5μg/日)から始めます。普通25μg〜50μg/日(朝1回投与)から始め、その後副作用に注意しながら1週間に12.5〜25μgずつ増量します(迷ったら少なめに増量)。血中甲状腺ホルモンおよび甲状腺刺激ホルモン(TSH)をモニターし、TSHが正常上限になるようにします(正常から軽度の甲状腺機能低下症の間)。最大補充量は3μg/kg/日(小児は5μg/kg/日)で、通常は1〜2μg/kg/日が多いです。治療中にTSHの一過性の上昇をみることがあります。50μg/kg/では少なすぎ、100μg/日では多すぎる場合、隔日で50μg/日、100μg/日、50μg/日、100μg/日・・・・・と調整します。
若い方(40歳以下)の慢性甲状腺炎による甲状腺機能低下症は一過性のことが多いので減量を試みてみます。永続性の甲状腺機能低下症の場合、生涯薬の服用が必要です。胎盤移行性、乳汁移行性は殆どないといわれています。また、甲状腺癌(とくに濾胞癌)等のTSH依存症腫瘍に対しては、増殖を抑制するために、軽度過剰に投与することがあります。
甲状腺以外の疾患すなわちnonthyroidal illnessでは血中T4、T3の低下がみられますが、甲状腺ホルモンを補充すべきかどうかは一定の見解が出ていません。このような状態に対して補充療法を行っても予後は変わらず、全身状態の改善で血中ホルモンがすぐに正常化するので、現在はホルモンの補充をする必要がないとされています。
副作用:
肝機能異常、過敏症がまれにみられるだけで、ほとんどありません。過剰投与すると動悸、不整脈、頻脈、虚血性心疾患等の循環器症状や、振戦、頭痛、めまい、神経過敏、不安、躁うつ等の精神症状、食欲不振、嘔吐、下痢等の消化器症状がみられることがあります。